おじゃまします ―協豊会 相羽東海地区幹事に聞く― |
協豊会広報委員会は8月31日(水)、愛知県愛知郡東郷町の株式会社東郷製作所本社に於いて、相羽代表取締役社長にインタビューを行いました。
相羽社長には会社概要、沿革、企業体質の強化へのお取組みや、東海地区幹事として協豊会活動へのお考えや思いなどのお話を伺いました。 |
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■ 御社の会社概要、沿革についてお聞かせ下さい ■
弊社創業の歴史は明治14年(1881年)まで遡ります。
それ以前に、愛知県知多半島に「村の鍛冶屋」と言われ、農機具を修理する職能集団があり、これらの人々が「出鍛冶(でかじ)」《農閑期を利用して近隣の村々へ出張して鍛冶業を行なう組織》として現在の地において鍛冶業を営み、後に定着したことが始まりのようです。
明治14年頃はまだ現在の行政区はもとより、東郷町自体も存在しておらず、まさにこの地において産業の魁としての出発でした。
このように「鍛冶屋」として創業したわけですが、1921年に開発した足踏み式脱穀機の羽の部分が「ばね」を製造する基本材料である「ピアノ線」であったことから、この材料を使用して「ばね」の製造に携わるようになり、1943年に初めて自動車用の「ばね」の製造に乗り出し、それ以来ばね一筋で現在に至っています。
1988年に初めて海外進出し、米国ミシガン州にて生産を開始。その後2000年にタイ・ドイツ、2011年に中国と拠点を増やして来ました。海外進出の大きな理由については、主力としている商品を世界中で供給していくことが、日本市場を守ることに繋がると考えたからです。海外で生産している商品はかなり絞りこんでいますが、必要な地域には必然的に進出せざるを得ないと思っています。
■ 企業体質強化のお取組みについてお聞かせ下さい ■
自動車産業を取り巻く環境は、年々厳しさを増していますが、グローバル化による現地生産・現地調達が加速し、国内での市場規模が減少しつつあります。これに伴う競合他社との競争や、新興国との価格競争などに打ち勝つために、モノづくり改革や間接部門の業務改革などのさまざまな改革を進めて企業体質強化を図っています。
≪いやし型赤ちゃんロボット「スマイビ」誕生のいきさつ≫
一つは「技術者の活性化」のためです。自ら研究開発した商品が市販できることは技術者にとって大変嬉しいことで、遣り甲斐に繋がります。弊社は開発の部署を設けて、自由に研究開発できるように支援しています。
もう一つは「営業の活性化」のためです。消費者の方に直接商品を販売すると言う新しいやり方の開拓になります。直接お話をお聴きすることで、よりお客様に寄り添った営業ができると思います。
■ 安全・品質・環境・CSR活動についてお話しをお伺いします ■
≪安全≫
何年か前に、災害が続いたときに、その要因が「人」に関わるものでしたので、まずは啓蒙活動として、「安全唱和」を実施しました。仕事や会議の始まる前には必ず「安全唱和」を実施して意識を高めていきました。
その後、同じ「唱和」ではマンネリ感が出るので、社内で新しい「安全スローガン」を募集・選考し、そのスローガンを「唱和」することにしました。これらの活動が効を奏したのか災害が減少しました。このように安全に対する意識向上が大切だと思います。
≪品質≫
品質向上の取り組みとしましては、5年計画をたてて、不具合発生件数の「ケタ落とし」を図ろうと考えています。発生率のPPMこそ低いのですが、製品の性格上、発生件数が多く悩んでおり、この件数の低減のために各部署とのトップヒヤリング活動を実施しています。社是の一つでもある「昨日よりもよい品」をめざして今後も貢献したいと思います。
≪環境≫
設備の性格上、騒音と振動に関して細心の注意をはらって稼動しています。近隣に民家も多いので、企業の責任としてご迷惑をお掛けしないように努力しています。
≪CSR≫
地域への貢献について、大変力を入れています。交通安全立哨活動やゴミ拾い活動に加え、東郷町主催の夏季のレガッタ大会や年末のハーフマラソン大会等のスポーツイベントにも参画・協賛しています。特にハーフマラソン大会には、メインスポンサーとしてさまざまなサポートをしています。
また、軟式野球、テニスのクラブは県下でも強豪を誇っており、常に活躍する選手たちをサポートしております。
■ 協豊会幹事としてのお考え、メッセージをお願いします ■
協豊会幹事として感じることは、まずトヨタさんが協豊会を本当に大切にされて、熱い思いでさまざまな多くの行事に、またわれわれ幹事や会員会社、そして運営されるスタッフの方々と関わっておられるということです。このことが固い団結力を誇る協豊会の強みだと思います。
トヨタさんが成長されるためには、会員各社が強くなることが必要であると思っています。まずは自社が足を引っ張らないよう、きちんと成長し実績を上げていくことが重要だと思いますので、自社の安定したモノづくりを目指し、そして協豊会会員各社さんが着実に成長できるように、微力ながらお役に立ちたいと考えています。
■ ご趣味・座右の銘などお聞かせ下さい ■
≪趣味≫
趣味は、冬季はスキーそれ以外の季節はゴルフです。また、クルマの運転も大好きですので、雪道にもめげずどこにでもドライブに出かけています。
若い頃に山スキーをしていた影響もあり、山歩きも好きで、ゴルフに行かない休日には、家内と山歩きを楽しんでいます。
≪座右の銘≫
座右の銘は、武田信玄の名言「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」です。すべてのことは自分ひとりで成し遂げられるわけではありません。みんなの力が必要です。従業員を大切にし、みんなで協力して成長していきたいと思います。
埼玉県秩父市にある秩父神社に「お元気三猿」というのがあります。これは日光東照宮にある「三猿:見ざる、聞かざる、言わざる」の叡智と全く反対の意味の三猿です。私は、この「お元気三猿:よく見て、よく聞き、よく話す」をモットーとして、「部下の顔を良く見て、聞く耳を持って理解し、分かるように伝える」を実行していきたいと思います。
本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
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相羽社長(中央左)を囲んで・・・
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石塚広報委員長 |
(太平洋工業㈱ 取締役副社長):中央右
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前田広報副委員長 |
(㈱メイドー 常務取締役):左
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大村事務局長 |
:右
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