トピックス
「環境月間特集」
鋳鉄業界のカーボンニュートラルに向けて
[アイシン高丘株式会社]
(HP寄稿通算回数
アイシン高丘はトヨタ自動車様より『’23年度 環境推進優秀賞』を受賞致しました。
この受賞は2011年から取り組んできた省エネ活動を中心としたCO2削減活動とともに2021年より開発してきたバイオ成型炭の開発を評価して頂きました。
 
バイオ成型炭は植物(ヤシがら)を原材料とし、キュポラと呼ばれる鉄を溶解する工程の熱源として現在使用されている石炭コークスを代替するバイオ燃料であり、溶解に使用してもCO2は排出されたとみなされません。
日本国内では当社のほかにもキュポラを使用しているメーカー様が多数あり、石炭コークスによる溶解で発生するCO2削減が業界の課題となっています。その様な鋳鉄業界のCO2削減に寄与できたらという想いも込め開発したバイオ成型炭誕生に至る道のりについてご紹介させて下さい。
着想は当社インドネシア現法でヤシがらを炭化したものを鋳鉄の炭素成分の調整(加炭材)に使っていたものを『固めたら石炭コークスの代わりになるのでは?』という従業員の一声から始まりました。
しかし、単純に『固めたらできた!』というものではありませんでした。大きな圧力で固めても溶解炉に投入した直後に崩れ、灰になってしまう。やっと強度を上げる事が出来た!と思っても鉄を溶かすだけの時間、熱量を維持できず、燃え尽きてしまう。試行錯誤を繰り返し、苦難の連続の末、辿り着いた製造条件で生み出す事ができたもの。
それが『バイオ成型炭』でした。
 
日本の鋳鉄業界では年間約30万トンの鋳物用石炭コークスが使われており、90万トンのCO2が排出されています。
日本の鋳鉄業界の皆様に使用して頂けるバイオ成型炭とすべく、2025年より量産を開始する予定です。
『産業の礎となる鋳鉄業界を元気に!』を目標にアイシン高丘はがんばって参ります。


一覧へ戻る