◆ 住友ゴム工業さんの会社概要、沿革についてお聞かせください。
◆ 住友ゴム工業さんの企業体質強化のお取り組みについてお聞かせ下さい。
私は2005年に社長に就任しましたが、翌年の2006年に住友ゴム工業の長期成長ビジョン(2006~2015年)を策定しました。
このビジョンはタイヤ事業を中心としたグローバル企業として、さらに社会に価値を提供できる企業としてどう成長していくかをコンセプトに数値目標を設定すると共に、事業のあり方を策定したものです。
又、企業としてのコスト競争力が企業としての源泉でありますので、2006年に企業のコスト競争力強化活動である「ABC(Asian Best Cost)プロジェクト」をスタートさせました。
タイヤ事業を中心に世界No.1のコスト競争力を目標に、国内外の工場でのコスト競争力をつける為に、毎年の短期目標と中長期目標を定め、車の両輪のようにコストダウン活動を推進しております。
現下の円高等とても厳しい経営環境ですが、活動としては円滑に運営が出来て来たのではないかと思っております。
2009年に創業100周年を迎えましたが、リーマンショック直後でありましたので事前には種々行事を企画しておりましたが、かなり絞った行事のみ実施致しました。その中で是非やりたかった企業体質強化を目的に、社員の求心力・モチベーションアップや方向性のベクトル合せの為に、「住友ゴムWAY」を制定しました。
制定に当り念頭にありましたのは当然「トヨタウェイ」でした。私自身トヨタさんの強さの源泉はトヨタウェイを全社的に浸透させ実践されている所に強み・凄みがあると思っております。
住友ゴムWAYの内容には100年の歴史の中でダンロップから培って来た技術の先進性、住友からの信用・確実性といったものを含めて大切な価値観・行動原則として掲げましたが、それをトヨタさんの様に作ったものを守り・育てて・継承して行く事を、徹してまいりたいと思っております。
社内的にはWAYを作ったのはスタートであり、これから実践していく事が大切だと言っております。会長に就任しまして、社長時代以上に社内を回りWAYの精神や期待している事を伝え、社内全体で盛り上げて行こうとしております。
◆ 「環境・安全・品質」などのお取り組みについてお聞かせください。
安全につきましては、従業員の安全を守るのが企業経営の根幹であると考えております。
社長に就任した直後の2006年に、中国工場で下請の方の重大災害があり全社的にも安全成績が良くない状況であった為、「安全は全てに優先する」を再度社内に徹底させる思いで、全社の安全大会実施や協豊会活動で見学しました住友金属さんでの体感設備を参考にした、タイヤ工場としての「体感道場」をつくり、日常的教育を行ってまいりました。
安全活動は日常活動が1番大事でありますので、日々の点検・予知活動を行って来まして、全社的に意識の向上は図れたと思っておりますが、安全の目標はゼロ災ですから、まだまだ道半ばであり、トップが言い続ける事が1番大切な事だと思っております。
品質についてはタイヤが主力の当社では、品質=安全でありお客様の安全を守る事が最重要であり、タイヤメーカーとして永遠の使命であります。
タイヤは自動車とは別のリコール制度もあり、品質はとても重いテーマであります。住友と社名を 変えた時から、QC中央委員会といった組織をつくりQCサークルを継続して行っております。
生産面では当然の事ながら、自工程完結、検査工程での流出防止が品質管理で大切であり、トヨタさんからもご指導を頂いて活動しております。
環境は当社にとって今日的なテーマではなく、明治時代より考えてきたテーマで、当時は住友財閥の時代でしたが、銅山の煙害対策、植林事業を行ってまいりました。
今でこそCSR対応が株価に影響する時代ですが、それが問われない時代より住友グループは環境問題に対応する企業集団であったことは、大きな財産だと思っております。
現在は地球環境に優しい企業活動を大前提として、特に生産活動に関わるゼロエミッション、CO2削減活動等に積極的に取り組んでいます。もう一方で タイヤ自体をいかに環境に優しい製品にしていくかが大きな課題であります。この問題は大きく2つの側面で捉えております。
1つはタイヤ自体が石油化学製品であり、普通のタイヤは約60%が石油依存材料で出来ています。これら有限資源を再生可能な石油外天然資源タイヤにするために2000年以降開発を進めており、現在は97%まで天然資源のタイヤ「エナセーブ97」を販売しております。さらに2013年販売を目標に100%天然資源のタイヤを開発しております。トヨタさんのハイブリットカーが最初は苦戦しても、その後世界の主流となった様に、この新しいコンセプトのタイヤが将来世界の主流となれる様、開発を推進してまいります。
もう1つは、業界を挙げて取組んでおりますタイヤの低燃費化です。車の燃費向上に関するタイヤの寄与度は大きいものがあり、自動車メーカーさんからの要求は厳しく、世界中で開発競争が激化しております。当社はスタートダッシュ良く開発面、市場シェアでも良いポジションを取れておりますが、このような技術は日進月歩ですので、更に燃費の良いタイヤを作ることが当社の使命だと思っており、これらの活動により環境に貢献できると信じております。
◆ 関西地区代表副会長としての協豊会活動についてのお考え、メッセージなど。
私は協豊会活動に1999年より参加させていただいております。最初は住友電工のトヨタさん取引責任者の中部支社長として参加し、その後関西地区総務委員長も務めさせて頂き、とても有意義な体験をさせて頂きました。この12年でトヨタさん、協豊会のすばらしさを本当に教えていただいたと思っております。トヨタさんはサプライヤーに対して厳しい会社ですが、一生懸命にやる企業にはとても温かい、親切な会社だと思っております。
協豊会活動の中で、トヨタさんの考え方、協豊会メンバーとどの様に共存して行こうとしているのか、具体的に教えて頂けとても勉強になることが多く、メンバーとして活動していく事に大きな意義があると感じております。
今回 関西地区代表副会長という役目を頂き、是非協豊会が今まで以上に活動の場が広がっていくように、全力を尽くしたいとの思いで一杯です。
◆ ご信条、ご趣味についてお聞かせください。
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